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福島のクロソイはいつ食べられる?放射能、セシウムの半減期から算出!

2021年2月22日に福島県沖のクロソイから放射性物質セシウムが基準値以上に検出された。ここでは、科学者の私が福島県のクロソイがいつ食べられるようになるのか?解説してみます。

放射性物質セシウムって?

放射性物質セシウムは、原子力発電に用いられるウランが核分裂したものです。

詳細は省きますが、この核分裂の時のエネルギーが発電に使われ、分裂したセシウムなどは制御棒と呼ばれる発電を制御する物質内で消滅します。

しかしながら、何かしらの事故で環境中に放出されると問題視されるのがこのセシウムです。。

環境省が算出している物理的半減期 (物質量が半分になる時間) を見てみると、Cs-137が半分になるには30年もかかります。。。。

参考:環境省_原発事故由来の放射性物質 (env.go.jp)

このようにI-131などとは異なり、半減期が長いからこそセシウムは危険なのです。

福島のクロソイはいつ食べられる?

まず今回のクロイソの被ばく量は、Yahooニュースによると以下の通りです。

県の研究所で詳しく測定した結果、放射性セシウムの濃度が、1キロ当たり500ベクレルと、国の食品の基準である1キロ当たり100ベクレルを上回ったということです。

参考:福島県沖 クロソイから基準超の放射性物質 出荷を停止 | 福島第一原発 | NHKニュース

セシウム-134,-137のいずれも、生物学的半減期 (体内に留まる期間) は三カ月くらいですが、クロイソが原発汚染地域に侵入すると、再びセシウムが体内に取り込まれるので律速は物理学的半減期になると思われます。

現に、福島の原発事故から10年たったにも関わらず、クロイソの放射線問題が発見されたとなると、実効半減期は30年と考えるのが妥当でしょう。

そして現在は、許容値の5倍量のセシウムが検出されていることを考えると、本当の意味で安心できるのは少なくとも90年後近くになるでしょう。

実際は、海水の希釈や技術の進歩により、30年くらいだとは思いますが。

それでも自然の生態系を狂わせてしまうのは、やはり心苦しいですね。。

福島のクロソイはいつ食べられる?放射能、セシウムの半減期から算出!まとめ

今回はセシウムの半減期から、いつ頃安心して福島のクロイソを食べられるのか考察しました。

ただ単に半減期だけで考えると90年近くかかりますが、実際は技術の進歩などにより30年以内だと思われます。

同じ科学者として、この問題には真剣に取り組んでいきたいです。。