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研究職、開発職、プロセス開発職の違いは?どういう人がどの職種に向いている?

化学メーカーの職種には、研究職、開発職、プロセス開発職、技術職など様々な職種があります。しかしどの職種がどのような仕事を担うのかは、名前だけだと非常に分かりずらいですよね。ここでは化学メーカーの仕事について知りたい学生のために、研究職、開発職、技術職、プロセス開発職の違いをご説明します!

1番人気の研究職の仕事ってどんな感じ?

化学メーカーで1番人気の職種といえば、研究職かと思います。

研究職は文字通り研究をする職種です。企業は当然利益を追求していくわけですが、研究職の部署については売り上げがありません!

通常、化学メーカーの売り上げは、以下のフローに従ってようやく得られます。

商品の設計 → 工場で生産 → 企業に営業して契約

実は研究職の仕事はこのフローには関わっておらず、数年 ~ 数10年後にどういう技術が必要なのか?という視点から新しい技術に手を広げ、自社技術としてデータを蓄積するのが仕事です。

文章で書くのは簡単ですが、実際これをやり続けるのも大変です。やはり常に新しいことにアンテナを張り続けて文献を調査し、最新技術を超えるための実験を計画し、その計画通りにデータを取り続けなければならないのです。

しかしながら、将来的に自分が1から築いた技術が売り上げに貢献する瞬間は最高だと思います!

そんな研究職は、好奇心が旺盛で根気強い人こそ向いていると私は考えています。

企業の研究職とアカデミアの違いは?

よく研究職の仕事は、大学のアカデミアと何が違うのか?と聞かれることがあります。

アカデミックと企業の研究職の違いは、アカデミックは現象の追求や自分のやりたい研究ができるのに対し、企業の研究職はあくまでビジネスにできそうな技術の研究をしなければならないという制約が入るイメージです。

数10年後に自分の研究成果でビジネスをしたい!という方は、アカデミアではなく化学メーカーの研究職が向いてると私は思います。

実は人気の開発職の仕事は?

化学メーカーの仕事の中で人気なのがこの開発職です。学生がイメージしている研究職の多くが、実はこの開発職だと思います。

開発職の仕事は、研究職が蓄積してきた技術、共同研究、自分のアイデアなどを組み合わせて3 ~ 5年後に新たな商品を上市するのが仕事です。

先程のフローに研究職と開発職を加えると以下のような感じになります。

自社技術の蓄積 (研究職) → 商品の設計 (開発職) → 工場で生産 → 企業に営業して契約

開発職は納期に追われながら、実現できるか分からない性能を実現しなければなりません。開発職を例える時に私はいつも、大学入試の過去問がない状態でどの問題が出やすいか予想して勉強することと例えています。

開発職も忙しいですが、自分が設計して自分が命名した商品が上市できると頑張ってよかったと心の底から思えます!この感動はなかなか他では味わえません!

そんな開発職は納期や研究範囲が決まっているため、プレッシャーに強くアイデアマンの人が向いていると私は考えています。

そんな研究開発職の1日の仕事内容は、化学メーカーにおける研究開発職の1日の仕事内容は?で紹介しています!

企業で重宝されるプロセス開発職

研究職や開発職よりは人気が低く、企業で重宝されるのがプロセス開発職です。

プロセス開発職の仕事は、開発職が設計したプロトタイプを工場で安定的に生産できるようにすることです。

先程のフローにプロセス開発職を加えると、以下のような感じになります。

自社技術の蓄積 (研究職) → 商品の設計 (開発職) → 工場で安定的に生産できるようにする (プロセス開発職) → 工場で生産 → 企業に営業して契約

開発職がいくら良いプロトタイプを開発しても、工場で安定的に生産できなければ商品として上市することはできません。

プロセス開発職は安定的かつ安価に生産するために、最適な製造ラインやどんな設備を使うのが良いか考えて設計します。

もしプロセス開発職の設計した製造ラインで商品を安定的に作れなかった場合、工場の設備投資が水の泡となってしまいます。

そのためプロセス開発職は、どの部署よりも最適解を何度も吟味する能力が必要となります。そこで私は、慎重かつ物事を広く見える人が向いていると考えています。

研究職、開発職、プロセス開発職の違いは?それぞれの仕事を紹介!まとめ

今回は化学メーカーの研究職、開発職、プロセス開発職の仕事内容についてご説明しました。

研究職は常に新しいことにアンテナを張り続けて文献を調査し、最新技術を超えるための実験を計画し、その計画通りにデータを取り続けるのが仕事です。

開発職の仕事は、研究職が蓄積してきた技術、共同研究、自分のアイデアなどを組み合わせて3 ~ 5年後に新たな商品を上市するのが仕事です。

プロセス開発職の仕事は、開発職が設計したプロトタイプを工場で安定的に生産できるようにすることです。

化学メーカーに興味のある学生さんが、少しでも仕事のイメージができたなら幸いです。かつて日本の代名詞でもあった物作りの仲間が増えることを期待しています。