この記事では、投資初心者や一般の方に向けて、直接上場とIPOの違い、直接上場のメリットとデメリットについて分かりやすく解説しています。あまり聞き慣れない直接上場をぜひ学んでいってください。
直接上場(ダイレクトリスティング)とIPOの違い
通常、企業が上場しようとするとIPO(新規公開株)と言って、新株を引き受けてもらうために証券会社を雇う必要があります。
この時の雇用料は、新株を発行した時の資金調達額の7% (数億円~数百億円) くらいに相当し、これほど大金を証券会社に支払わなければなりません。
通常、新株を引き受けた証券会社の株を上場後に全て売却するために、IPO株は割安価格に設定されます。
そのため、割安価格から通常価格に戻ろうとIPO株は上昇しやすいため、投資初心者に向いているという訳です。
これを既存投資家目線で考えると、本来はもっと高い価格で売れた可能性があると言えるわけです。
これを回避するために、新株を発行しない+証券会社を雇わずに上場させる方法として、直接上場があります。
直接上場のメリットとメリットについて
直接上場することによって、雇用料として支払うはずの数億円~数十億円以上の手数料を支払わなくて済みます。
また、ロックアップ期間がないため上場利益を早めに得られることもメリットとして挙げられます。
通常のIPOでは、上場した後すぐに既存株主は株を売買することができないロックアップ期間があるのですが、直接上場ではこのロックアップ期間がありません。
これはなぜかというと、直接上場では新株を発行しないために既存株主の株を市場に流出するためには、既存株主が市場に株を売却するしかないからです。
だからこそ、既存株主は上場による上場利益を通常のIPOよりも早く得ることができます。
直接上場のデメリットについて
直接上場ではIPOと違って新株を発行する訳ではないため、ボラティリティ (価格の変動のしやすさ)が高いこともデメリットとして挙げられます。
直接上場では、既存発行株の一部しか市場に流通しません。
つまり、IPOと比較して市場に流通する株式数が少ないため、価格は変動しやすくなるのです。
株式とはオークション制なので、世界に10個しかないものの価格は変動しやすく、日用品の価格はそうそう変わらないのをイメージして頂ければ分かりやすいかと思います。
そのため、直接上場の株価は変動しやすくなるため、投機的な商品だと言えると思います。
まとめ:直接上場のメリットとデメリットについて
今回は、直接上場とIPOの違い、直接上場のメリットとデメリットについて解説しました。
日頃あまり聞きなれない直接上場ですが、IPOとの一番の違いは新株を発行するかどうかですので、ぜひこれだけでも覚えていってください。