企業の研究者を目指す上で、学生のうちに身に着けておいた方が良いスキルを知りたい。という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。特に、大学を卒業してから入社までの春休みの間に勉強しようと考えている方も多いと思います。ここでは今の研究者に必要とされているスキルの中でも、学生の内から勉強しておいた方が良いスキルをご紹介します!
これから研究者を目指す上で学生のうちに身に着けておきたいスキル
現在私は化学メーカーで研究者として勤務しているのですが、よく研修などで研究者が身に着けておきたいスキルについて学びます。
研究者が学んだ方が良いスキルとして、マーケティング、ロジカルライティング、プレゼンスキルなど様々なスキルがありますが、これらは一人で学ぶには難しいので学生の時にはやらなくて良いと個人的には考えています。
そんな私が、一人で勉強しやすくて学生の内から勉強しておいた方が良いと考えるスキルは以下の3つです。
①統計学
②プログラミング
③英語力
統計学は意外だと思われるかもしれませんが、実は頻繁に使います。
ITスキルや英語力については「お決まりだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは私が苦労した実体験を記述しますのでどれくらい重要なのか伝わると嬉しいです。
研究する上で実は重要な統計学
統計学と言われると、難しい数式を思い浮かべる方、T検定を思い浮かべる方、イメージが湧かない方など様々かと思います。
学生の時にはあまり統計学を活用していない人も多いですが、企業の研究者ともなると実験計画法、重回帰分析、シックスシグマなど様々な統計学的解析手法を活用します!
特に、企業に勤めると学生のようにいくらでも残業ができる訳ではないので、効率良く実験するために実験計画法をしばしば用います。
実験計画法を使うと、本来であれば81回必要な実験が27回になったりします。実験回数が半分以下になるなんて凄いですよね!
私が入社した時にはT検定くらいしか知らなかったので、仕事が終わった後に統計学を勉強しなければなりませんでした。そのため新人研究者の序盤は自由な時間があまりなくしんどかったため、学生の内から勉強しておけば良かったと思ったこともありました。
そんな私は「入門 統計学 −検定から多変量解析・実験計画法まで」といった参考書を用いて勉強し、なんとか先輩や上司と議論できるくらいにはなりましたので、一から統計学を学びたい方にはおすすめです!
統計学は数学なので自分で勉強しやすいと思います。もし入社前の春休みに勉強する余裕があるなら、統計学してみてはいかがでしょうか!?
研究者も機械学習やシュミレーションを行う時代!
次に勉強しておきたいのは、プログラミングです!
昨今では、研究の仕方や考え方を変革しなければならない状態であり、様々な化学メーカーがIT分野の知見を取り入れ始めてます。
そのため、学生の内にこれら分野についても学習しておくと、会社に入ってから同期よりも数歩先の立ち位置で研究者をスタートできます!
これからmustで学ばなければならないプログラミングを時間に少し余裕のある学生の内に勉強しておきましょう!
これからの研究に必要不可欠なプログラミング
これからの研究は、上述した統計学と機械学習やシミュレーションを組み合わせ、少しの実験回数で最適な解を見つけたり、自分たちでプログラムを組んで実験を自動化したり取り組みが盛んに行われています。
私がよく使うプログラミング言語は、Pythonという言語です。Pythonは初心者向けのプログラミング言語で、機械学習や深層学習に向いています。
ただ学生の内にプログラミングを学んでおけと言われても、実践できる人はまぁ少ないと思います。
そこで私は、学生の方にはExcelのマクロを勉強することをおすすめします!
マクロはプログラミングの初歩の初歩ですしExcelは学生さんも使われていると思うので、まずはExcelのデータ整理なのでマクロを活用し、プログラミングに慣れるのが良いと私は思います。
Excelのマクロは、企業の研究者になっても使いますので勉強しておいて損はないと思います!
やはり学生時代とは違って企業の研究はみんなで一つの研究テーマを扱いますので、マクロが使えると自分一人だけでなくチーム全体の効率を引き上げることができます。
まずは身近なExcelのマクロを学生の内に使いこなして、プログラミングに慣れてみましょう!
やはり必要な英語力
最後にもはや定番の英語です。
もはや定番すぎて言われなくても分かってると思われるかもしれませんが、おそらく想像以上に必要です。
普段の業務と合わせ、私がどれくらい英語を日常で使っているのかご説明します。
結論としては毎日英語を使います。使う機会としては、メール、電話対応、プレゼン、会議と英語を聞かない日はありません。
物作りの日本というように、化学メーカーのような物作りの顧客は基本的に海外です。
そのため当然ながらコミュニケーション言語は英語ですので、必然的に英語を使わざるを得ないというわけです。
学生時代の私は、英語が出来ることはアドバンテージで、英語のスキルはmustではないと思っていました。
しかし実際会社に勤めてみると、英語ができるということはアドバンテージではなく、できないと仕事にならないというmustのスキルです。
そのためできる限り、学生の内に英語を勉強しておくことをお勧めします。
研究者を目指す方のためのおすすめ勉強法!
こんな偉そうなことを言ってる私ですが、実は英語が本当に苦手です。
新入社員の頃は外国人の前で何度も英語で発表させられましたが、質疑は基本的にアドリブが効かずに答えられないという恥を晒していました。
そんな私ですが、この勉強法で多少はアドリブを効かせられるようになりましたので、英語が苦手でこれから研究者になる人は一度試してみて下さい!
その勉強法とは、英語で日記をつけることです!
具体的には、どんな研究をしてどういう成果が得られたのかを英語で書いておくんです。
やはりアドリブを効かせるためには、専門用語と簡単な文法を即座に頭に浮かべる必要があります。
しかし日頃使ったことのない単語や構文をいきなり使うのは難しいので、日頃からその単語や構文に慣れさせておけば良いのです!
日頃の研究を英語で書いて発音することで、実際に研究発表する時も日常から練習しているので直ぐに答えられるようになるわけです!
今は英語が苦手だけど研究者を目指したいと思っている方は、この勉強法を一度試してみてください!
学生の内なら失敗してもビジネスに影響しないのでノーリスクです!
私のようにビジネスで失敗してしまうと大変なことになってしまうため、是非とも英語力 (自分の伝えたいことを伝えられるスキル) は学生の内に身につけておくと良いと思います!
今の研究者に求められているスキルとは?学生のうちに身に着けておきたいスキルは?まとめ
今回は、企業の研究者を目指す上で学生の内にどんなスキルを身につけた方がいいのかについてご説明しました。
統計学、プログラミング、英語力のいずれも化学メーカーの研究職なら必ず必要なスキルですので、少しでも時間に余裕のある方はぜひ勉強しておくと良いと思います。
この記事を読む方の多くが大学院生で研究も忙しいと思いますので、くれぐれも体調だけはお気をつけください。