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化学メーカーにおける研究開発職の1日の仕事内容は?役職が上がると仕事も変わる!

これから化学メーカーの研究職を目指す学生にとって、研究開発職の一日の仕事内容が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは化学メーカーの研究開発職として勤務する私が、役職別の一日のスケジュールについてご紹介します!

まずはいろいろな経験を!新人研究者の一日の仕事!

新人研究者の最初の3ヵ月は、on the job training (OJT) をしてくれる直属の先輩と一緒に行動し、社会人としての基本や実験の進め方について学びます!

特に、企業の研究はチームで一つのテーマに取り組んだりするため、まずはOJT担当者と実験の予定を立てて一緒に実験をすることで他人と歩幅を合わせる訓練をします。

企業は大学の研究室よりも安全に厳しい点、チームで研究を行っているため一人のミスが皆に影響してしまうといった点から、最初の3ヵ月は先輩に付いてしっかりと社会人の当たり前を学ぶことが大切です。

私は、入社して3か月目くらいの時に早く一人で仕事がしたいなと思っていたのですが、いざ一人で実験をするとなると大学時代と違って時間が限られているので、効率よく実験をするのに苦労をした覚えがあります。

ぜひ、最初の頃はOJT担当者の考え方や行動をしっかり観察しておくと良いと思います!

そんな新人の一日のスケジュールはこんな感じです。

9:00 メールチェック

9:20 OJT担当者と一日の流れを確認して実験

12:00 昼食・休憩

13:00 実験の続きや課内庶務など

16:00 課内会議用資料の作成

17:45 帰宅

新人の頃は他部署との会議にはほとんど参加せず、基本的には課内での会議が中心となります。そのため会議頻度は多くなく、2日に1時間くらいです。

実験の内容もチームで決めた実験が9割を占め、残りの1割が上司と相談して決めた自分専用の研究テーマに取り組みます。当時の私は、自分一人の研究テーマは自分で実験のスケジュールを組めるので、如何にチームで研究するのが大変か痛感したのを覚えています。

大学時代の内に一人での研究の仕方はぜひマスターしておきたいですね!

実験の主力部隊!2年目から6年目の若手研究者!

若手研究者は、いくつもの研究テーマの実験をひたすら行うのが仕事です。

若手研究者の研究テーマの多くは、事業化が決定しているテーマや商品の開発といった上層部が方針を決めたテーマに近いところを研究することが多いです。

実際私も3年目には商品開発のテーマに取り組み、自分で設計した商品を世に送り出す仕事を経験しました!

完全な新規テーマを行う時間があまりなくてがっかりする方もいらっしゃるかもしれませんが、お金を生む商品を自分で開発できるのは、とても貴重な経験だったと今でも思います!ぜひ悲観的にならないで下さい。

大学時代の研究も教授が用意したテーマに取り組んでいる方も多いと思うので、若手研究者が1番学生時代の研究に近いかもしれません。

そんな若手研究職の1日のスケジュールはこんな感じで、新人の時よりも業務量が増えて帰る時間が遅くなります。

9:00 メールチェック

9:20 実験

12:00 昼食・休憩

13:00 実験の続き

18:00 会議用資料の作成

19:00 帰宅

更に若手研究者ともなると他部署とも関わらなければならないので、必然的に会議も増えます。

だいたい2日で3時間近くは会議に費やすため、大量の実験と会議用資料作成を時間内にこなさなくてはなりません。

また課外向けの資料は、新人が作成する課内向け資料よりも丁寧に作る必要があるため、会議用資料作成時間も新人研究者よりもかかってしまう場合が多いです。。

実際私も新人研究者の場合は1時間もあれば資料は作成できたのですが、課外向け資料は平均して3時間くらいかかってしまいます。

このように若手研究者は急に業務量が増えるので、よく上司から若手研究者は修行の時期だと言われます。

それでも大学院時代よりは拘束時間は短いのでご安心ください!笑

新規実験とマネジメントの両立が重要!7年目から14年目の中堅研究者!

中堅研究者は新人研究者のOJTや若手研究者のマネジメントも行いつつ、新たな事業開拓のための新規実験を行います。

中堅研究者は1から新規の研究テーマを考えたりもするので、イメージとしては助教授に近いかもしれません!

中堅社員ともなるとただ実験をして良い結果を出すだけでなく、商品を上市するために必要な手続きもしなくてはなりません。

これには社内の申請だけでなく、新しい化学製品を作るということで国の機関に申請したりもします。

中堅社員にもなると全ての業務をこなすようになるため、ようやく一人前の研究者になったといえます。

そんな中堅社員の1日のスケジュールはこんな感じで、実験に費やす時間はとても短くなります。

8:30 メールチェック

9:00 1つ目の会議

10:00 2つ目の会議

11:00 3つ目の会議

12:00 昼食・休憩

13:00 実験

15:00 4つ目の会議

16:00 会議用資料の作成

18:00 申請書類作成

19:00 帰宅

このように実験から離れはじめるのが中堅社員で、ここから一つ昇進すると管理職のような上級職になるようなイメージです。

しかし10年後も実験したいという方は、上級職として主任研究員のような研究に特化した上級職もありますので、研究が本当に好きな方は研究にずっと打ち込める制度になっています!

化学メーカーにおける研究開発職の1日の仕事内容は?役職が上がると仕事も変わる!まとめ

今回は、役職別に研究職の1日の仕事についてご紹介しました!

新人研究者は、まずはOJTと常に行動を共にして社会人の基礎を学ぶのが仕事です。そして、会議は課内会議のみを2日に1時間行って、新人研究者の仕事の大半が実験です。

若手研究者は、一人で実験を行う上にいくつもの研究テーマの実験をひたすら行うのが仕事です。だいたい2日で3時間近くは課内及び課外会議に費やすため、大量の実験と会議用資料作成を時間内にこなさなければなりません。

中堅研究者は新人研究者のOJTや若手研究者のマネジメントも行いつつ、新たな事業開拓のための新規実験を行うのが仕事です。イメージとしては助教授で、国への申請といったあらゆる仕事を担います。

この記事で少しでも化学メーカーにおける研究職の仕事のイメージができると幸いです。